PPC-LOG

主にリスティング広告をはじめとするWeb広告、マーケティング関連の記事を書いています。

一次情報収集の大切さについて

先日とある出版社の方と食事をした際のこと、如何に「一次情報収集が如何に大事か」という話題で相当盛り上がりました。そもそも「一次情報」と言われてピンとこないマーケター、広告運用者も多いと思いますので、まず今日はそのお話と、私自身の実体験を交えて、如何に広告運用に一次情報収集が活かされるか、一次情報を握ることがマーケターにとって強みになるかといった点、お話できればと思います。

 

f:id:sbgx:20191221095153j:image

 

一次情報とは何か

そもそも一次情報とは、自分自身が情報源となった情報のことを示します。

 

例えば、実際に現場でペルソナを作成する際に、知恵袋やTwitter、Amazonなどの製品レビューを参考にペルソナを作り込むことがあるかと思いますが、それは二次情報、三次情報をベースとした、ペルソナ設計をしているということになります。(下記図は、それを示したものになります)

 

f:id:sbgx:20191222123358j:plain

 

それとはまた別に、例えばその製品を実際に自分自身で1ヶ月ほど使用し、その上で自分自身の体験をベースに「この製品であれば、このような人が利用者層として想定されるな」「こんな感じの人がまさに利用者だな」と考え、ペルソナを設計した場合、それは一次情報を盛り込んだ上でペルソナ設計をしたことになります。

 

「いやいや、エゴサして感想集めれば十分でしょ」

「アンケート結果を使って作れば十分では?」

「知恵袋で全て事足りる」

「SEOの上位コンテンツページを見て考えるだけでOK」

 

もちろんそういった声も当然あるかとは思いますが、個人的には一次情報こそが最強の情報であり、特に対レッドオーシャン市場での広告運用においては、最強の武器であると考えています。例えば上記したようなレビューサイト、質問系サイトには、言語化されたユーザーの声しかありえません。しかしながら、実際には言語化されていない、心の叫びのようなユーザーの声が存在していることが多く、そこをしっかりと明確化し、ペルソナに盛り込み、突くような広告文を作ることで、パフォーマンスを大きく良化できることはもちろん、業績、事業自体を1step、2step上にシフトさせることができること自体、決して難しいことではありません。

 

また意外と思われるかもしれませんが、大手企業の専属のマーケターですら、現場の一次情報を正確に握っているケースが少なく、上記したようにアンケート情報を持っていることに安心し、顧客を理解した気持ちになっているケースも珍しくありません。そのため一次情報を手にし、それをマーケティング活動に活かすだけで、一部上場企業ほどの資金力、人員力がある企業を相手にした場合であっても、ジャイアントキリングを仕掛けることも可能だったりします。(まじで)

 

さらにクライアントに直接ペルソナ情報を求めても、希望的な、都合の良いペルソナ情報が共有されることが多く、「実際にはそんなユーザー存在せんがな!」というケースも珍しくありません。(この点は高広さん@mediologicのnoteに詳しく書かれているので興味がある方はご参照ください)

note.com

 

ファッションバイヤー:MBさんの事例

最近YouTuberとして活躍し始めているMBさん@MBKnowerMagが以前にホリエモンチャンネルに出演した際、「如何に一次情報が大切か」という点について吐露しています。(以下の動画はその時のもの)

 

 

www.youtube.com

 

要点をまとめると、下記のような形になるかと思います。

  • 人から情報(二次、三次)は深みがない
  • ファッションアイテムであれば、例えば風合い、色合いなど触れた人だけが得られる情報がある(=他の人が知り得ない情報)
  • 足を使って情報をとりに行くという手法は、自分で独自の情報をいっぱい見つける方法としては非常に有益

などとこのように、一次情報を探し求めている人だけが、有益な情報を独占しているケースは決して珍しいことではありません。

今のWeb広告・デジマの流れについて

話を少し別の話題に切り替えます。以前ブログにも書いたように、現在の運用型広告は人が手間暇をかけるポイントが変わりつつあり、管理画面に対して人が手動で介入する仕事自体、少しづつではありますが自分は減る方向にシフトしていくのではないかと考えています。(もちろん、管理や監視、調整の仕事がなくなるとは思っていません。これまでと比較し、減っていくのではないかという指摘です)

www.ppc-log.com

では、運用者の減った仕事の時間を穴埋めする仕事として、何が考えられるでしょうか。自分はその穴埋めとして、以前ブログにも書いた「企画を仕掛ける」もその1つだと考えています。

www.ppc-log.com

 

そして、今回この記事に書いている「一次情報収集」もその1つだと考えています。

 

できれば半年に1回はこの一次情報収集を行い、エンドユーザーなどと何らかの形で接触したり、自分自身で製品購入、サービス利用を行い、情報を咀嚼する必要性があると思っています。

 

自分にとっての一次情報の価値

自分の場合、とにかく一次情報は近くて、早くて、深いものだと思っています。


例えば、高額なツールを導入してデータ、ユーザー解析するよりも、コンバージョンしたユーザーに対して...

 

「なぜ購入しようと思ったのか」

「なぜここで離脱したのか」

「購入検討期間中にどんなことを考えたのか」

 

といったような質問を直接した方が手っ取り早く、時間も、費用も発生しません(当然質問し、答えてもらった内容をまとめるだけなので、ツールを利用できるようになるために必要な期間や、専門知識も不要です)。また生の人間が持つ情報は凄まじく、思考にも一貫性がないため(人間の脳はノイズが多くあり、狩猟文化の名残が強く、1つのことを複雑に突き詰めて考えられないのだそうです)意外と論理的でなかったりし、ツールの解析結果とは異なった結果が導き出されることも珍しくありません。そしてそこにこそ、意外と良い情報が眠っていたりすることがあるのです。

 

一次情報収集の代表例 

一次情報収集には様々な手法が存在します。下記図で自分が過去に行ってきた、一次情報収集のパターンを図化してみました。もしよろしければご参考ください。

f:id:sbgx:20191222132513j:plain

 

自分が行ってきた一次情報収集の中で、もっとも辛かったのがヴィーガン関連商材の一次情報収集でした。このことについても少しだけお話しできればと思います。

 

実際の一次情報収集体験談

そもそもヴィーガンとは、動物性食品を食べない人のことを示し。肉、魚を食べないベジタリアンよりも厳しく、卵や乳製品も食べてはいけないという、よりハードな食事制限を自分達に課している人たちのことを示します。

 

zexy-kitchen.net

 

早速ヴィーガンに関する書籍情報を収集したのち、1週間ほどヴィーガン生活をしました。例えばヴィーガンは動物性の出汁を使用したものが食べられないため、コンビニのものは大抵食べられなかったりします。(サラダもドレッシングは使えなかったり、穀物系のパック...ヒジキサラダとかも魚介出汁を使ったりするのでNG)一部飲食店でヴィーガン向けの料理を展開する店舗もありますが、まだまだ正直普及していないというのが正直なところです。正直この時点で、1日3回以上コンビニに行くことが多い自分としては、絶望感しかありません。

 

また飲食店でヴィーガン料理を頼んだ場合、めちゃくちゃいいお値段します。正直高いです。ハンバーガー2,000円とか(しかもめちゃくちゃ小さし、ゴボウとか入ってる...)そんな世界観です。財布事情的にもたまったものではありませんでした。でも食べないとフラフラするし、思考も不安定になります。仕事になりません。また肉、魚をどうしても食べたくなり、めちゃくちゃイライラします。

 

そして2日目の昼間、突如限界がきました。

 

しかしここで他のヴィーガンの人たちがどのような食事をしているのか気になり、色々と情報収集し、調べてみることにしました。すると、ヴィーガンな人向けのセブンイレブンの食品情報を公開している方ブログを確認することができたり、SNSでヴィーガン向けスイーツの作り方を紹介している人だったりを見つけることができ、なんとか食事を食いつなぎ、ヴィーガン生活を1週間過ごすことができました。

 

blog.goo.ne.jp

 

www.lawson.co.jp

 

正直東京に住んでいるからこそ、なんとかなる部分も多くあったのですが、多分地方では3日でギブアップしていたことだろうと思います。まじでナチョラルローソン、Vegewelは偉大。あとこれは余談ですが、ヴィーガン明けに食べた近所のラーメン屋のラーメンは、これまで食べてきたどのラーメンよりも....最高に...美味しかったです....(ゴクリっ)

 

 

...などとこのように、1週間ほどヴィーガン生活をしたわけですが...

 

  • その間に調べたヴィーガン関連の情報源(調べてみたサイトなど)
  • 自分自身の検索語句情報
  • 検索時の自分の心理状況
  • コンビニで裏面の成分表を読む時の何とも言えない気持ち
  • 成分表をみて「アウト」だと知った時の絶望感
  • ヴィーガン対応メニューを備えたレストランに巡り会えた時の幸福感
  • 2日目の昼間に感じた「限界」

 

これらの情報はその後のペルソナ設計時、広告施策考案時に非常に役に立ちました。上記したような情報は、おそらく多分知恵袋やTwitter、Instagramを単純に検索しても得ることはできないと思います。また感覚的には理解できても、実際に「肉を食べられない」「魚を食べられない」辛さは、正直常軌を逸した辛さがあります。分かったつもりでいるよりも、実際に行動し、分かるように体験する方がより親身に理解でき、その分よりリアルな、机上の空論で終わらないマーケティング活動にも直接的に繋がってくるのではないかと考えています。

 

気が付いている代理店側の動き

最後に、この一次情報の重要性に気づいている代理店さんのお話しもできればと思います。もちろん他にも気づいて行動している代理店さんも多くあるかとは思っていますが、ブログなどで外部に情報発信しているケースはあまり多くなく、参考になるのは2社のみでした。下記にリンクを貼っておくので、もしよろしければご参考までに。

anagrams.jp

www.kwm.co.jp

最後に

知恵袋を見たり、GoogleMapのレビュー、Amazonのレビュー、SNSのエゴサーチで情報取集を行い、満足してユーザーのことをわかった気になっているだけでは実績どんどん作りにくくなっていくと思っています。また、それらを実施せずに成果が出ていたりする場合は単純に製品、サービスが強いだけで、実際はそれらを行うことでもっと売り上げを伸ばせる可能性が高く(つまりは機会損失している)、もっとちゃんと情報収集することで、今の売り上げの天井をぶち抜ける可能性が非常高いと思っています。

 

また顧客アンケートなどもしっかりと作り込めば有効ではあるのですが...しっかりと作り込まれたアンケートを作れるマーケターは非常に稀有な存在です。(私自身、日本人では梅澤伸嘉さんぐらいしか知りません)逆にアンケートをされる際、あなたは毎回詳細に、事細かく回答していますか?これは自分自身の体感ですが、3割以上の方は深く考えず、自分の心の奥底の思いを言語化したりせず、適当に答えているのではないでしょうか。そこまで参考材料にならない質の低いデータと取得し、マーケティング活動に転用していくというのは、あまり現実的ではないと思います。

 

また実際に一次情報をする際は、様々な点でも注意が必要です。事前にクライアントに了承を取り付けるのはもちろん、ECと実店舗がある場合は、それぞれで客層が違うことも想定されますので、その点は解析ツールのデータや、実際の売り上げデータを事前に確認しすり合わせるなどといった作業も必要となります。また人は目の前で起こった現象を正確に捉え、第三者に正確に伝える能力はそこまで高くありません。クライアントさんからの事前情報と実際の現場での出来事が合致しないことも多いので、その点も考慮した上で、一次情報を行う必要性があります。(この辺りの詳細を知りたい方は、ぜひ『世論』などをご参考にして頂ければと思います)

 

 

 

 

Twitterはこちら

 

twitter.com

 

元ネタ