PPC-LOG

主にリスティング広告をはじめとするWeb広告、マーケティング関連の記事を書いています。

企画を仕掛ける技術とその価値

自分が大学生だった時分は、「広告代理店の人=世の中の流行り廃りを完全にコントロールすることができるプロフェッショナルな人たち」だと認識していました。

 

もちろんその見立ては完全に外れている訳ではないのですが、実際に広告代理店に入ってみると、社内を見ても、社外を見ても、「さすが!巧みな仕掛け人だ!!」と思えるような、巧妙な大規模施策に携わっているような人や、企画を仕掛けた結果、一人勝ちに興じているようなマーケターは、意外と少ないのではないでしょうか

 

というか、ほぼ存在しない気がします。

 

特に中小企業規模のネット広告に特化した広告代理店では、「大きく仕掛ける」といった発想、アプローチを試みているマーケター自体、そもそも少ないのではないでしょうか。または、初めからそんなことは考えてすらいない。日々の獲得単価を達成していくことだけで精一杯で、長期計画を立てている人ですら、少数派ではないでしょうか。

 

例えば、ホイチョイ・プロダクションの映画「私をスキーに連れてって」。

 

www.carsensor.net

 

この映画1本を通じて、80年代の若者たち向けに、理想的な消費者像を埋め込み、そして消費行動を促すことに、当時のプロダクションは成功しました。

 

下記がその消費行動の代表例です。

・車の販売(カローラⅡ、セリカがバカみたいに売れた、私の親も当時この映画をきっかけに四駆を買っている)

・スキー、ゲレンデでの消費文化の定着

・金曜日の定時後〜週末は遠出

・ユーミンを聞く

・恋人を作る(恋愛の消費)

・アマチュア無線通信での情報交換

 

では、今でも広告代理店が同じ手法を使い、20代後半から30代までの独身層に同じような消費扇動ができるかと言えば、正直な話、結構厳しいのではないかと思います。

 

社会に流通している情報量はマスメディアが発するもの以外にも、インターネットの登場により急速に増大しており、またそれだけではなく、消費手段、形態自体が非常に多様化しており、個々が各々に様々な娯楽を求め始めていることが主な要因です。

 

またそれに加える形で、消費者もただ与えられるものを享受するだけでなく、様々な情報を比較したり、入念に調べたりするなどし、情報をただ鵜呑みにするケースは非常に少なくなってきているケースも多いように思います。(ただし新興市場や、消費形態が特殊なケースなど、流通情報量が少ない場合は話が別)

 

すでに多くの方が既知のハイブランド商品であったとしても、ただ単純に「憧れ」「共感(による歩み寄り)」を見せつけても、揺るぐ人は少なくなってしまったのではないでしょうか。

 

もちろん、一定の数の人を一括りにし、底引き網の原理で取りに行くことは今現在でも可能です。ただし、例えば「可処分所得の多い独身30代を狙う」といった形でざっくり攻めても、かつては通じた戦略は、今ではほとんど通じないのではないでしょうか。よりマーケターは消費者をリアルにイメージし、入念にペルソナを作り込むことが求められているように思います。その製品、商品、サービスを手に取り、どう顧客が変われるのか、どんな不安、悩みを抱えて日々生きているのか、より深いところにまで入っていかなくてはいけません。

 

実際に季節ごとに訴求を変え、強いペルソナを作り込み、いまだに成果を出し続けている百貨店やパルコ、ルミネなどといった商業施設は存在します。しかしそれは、ほんの一握りの話、やはり少しも攻めていない、大衆を漠然と相手にしたマーケティング戦略は、年々通じなくなってきているのではないでしょうか。

 

matome.naver.jp

 

note.com

 

自分たちのクライントのニーズや、絶え間ない課題の対処に追われてしまい、ダイナミックな視点でのマーケティングについて考える余裕がなくなっている現場の広告運用者、マーケターは意外と多いように思います。

 

しかし、言われたことをやるだけでは、行動に対する付加価値を増やすことは困難です。では、どのように付加価値をつけていくのが得策でしょうか。そこでオススメなのが、まずは小さな「企画」を仕掛けることです。

f:id:sbgx:20191208190208j:plain

 

既にあるサービス、商品で企画を仕掛ける場合

まず、既にあるサービス、商品の売り上げを伸ばすために企画を仕掛けるとして、何ができるでしょうか。

 

例えば特定の商品を売るために、顧客のニーズに合わせてパッケージ、サイズを見直すといった施策は有効です。以前にもAmazon広告の記事で解説した通り、検索語句情報をベースに顧客が求めている商品、それらのサイズや機能、容量を推測し、商品展開するケースなどがありますが、それも「仕掛け」の1つと言えます。

 

「製品開発、セット販売の提案・アドバイス」はまさに旧来の"デジマ"の域を超えた提案力が求められる

 

『Amazon広告“打ち手”大全』出版記念セミナー【打ち手の学校】に参加してきました|セミナーレポート

 

www.ppc-log.com

 

次に、セールキャンペーン、導入障壁を削減するようなキャンペーンを提案してみるというのも、1つの手ではないでしょうか。繁忙期に勝負をするのか、閑散期に勝負をするのか、様々な制約条件がある中で最適な形での展開を協議し、進めていき、様々なデータを取得、比較していきながら、年間を通じて数回、勝負のタイミングを作っていくという戦略展開は、非常に有効です。(特に年間予算を組んだ上で展開する場合、年間の中で予算を調整すれば非常にローリスクでトライが可能です)

 

例えば、キャンペーンの導入は難しくても、年間を通じた上での予算強弱をつけただけで、コンバージョン数が伸びる可能性があります。(下記図はあくまでもイメージ)

 

f:id:sbgx:20191210214825j:plain

 

最低限のリスク管理さえすれば、リスクゼロでメリットしかありません。割と長年毎月定額予算で運用していて、獲得単価の月ごとの傾向がハッキリしている場合、導入すると効果が出たりするのでオススメです。(取っ掛かりとしてはいいかもしれません)

  

最後に、近年ではBtoBマーケティングにおいて主流になりつつある「まずは資料請求」「最初はホワイトペーパーをぜひ」「まずは無料説明会からどうぞ」といった、ストーリー設計をしっかりと行った上での集客などもオススメです。

ferret-one.com

また同じ手法を活用し、BtoCの高級商材、比較的購入検討期間が長い商材、「環境保全」「安全性」に熱心なユーザー向けの商材などにも、応用可能ではないかと思います。 

 

ネット広告の広告効果が突如良化する要因として、LP改良や季節要因、単発的なメディアの宣伝(その他媒体による影響)、競合撤退、法規制などが考えられます。もちろん店舗型ビジネスの場合、出店状況によっても、獲得単価を下げつつ、コンバージョンは増え続けるといったことが起こる可能性があります。しかし、それ以外の要因で広告費の長期投下などが一気に開花し、成果が突如上がることはほとんどあり得ません。

 

前述した通り、今現在インターネットは加速度的に普及し、情報量は比べ物にならないぐらいに増大しています。(一説によると現代人が1日に受け取る情報量は、江戸時代の日本人にとっての1年分だったとか)

dime.jp

そんな状況であるにも関わらず、ユーザーに対して一方的に情報を発信し続けるのは、得策とは言えません。そのためまずは、ネット上から人を切り離し、前述したストーリー設計の上での接触など、リアルでの接触の機会を設ける戦略を展開していくのは、非常に有効な施策なのです。

 

新しい商品、商材で企画を仕掛ける場合 

次に「過去世の中に存在していなかった商材」「新しい価値観の商材」を世に売り出す際、広告運用者は何を考え、広告によるどのようなアプローチを画策すべきなのかという点についても、考えていければと思います。

 

ネット広告でアプローチすることを前提に考えてみると、代替品であれば検索広告でのアプローチが有効だと考えられます。

 

しかし、全くの新しい商材の場合、検索広告は使えないケースが多く、別の訴求を試みる必要性があります。(もちろん指名系キーワードによる流入など、全くないケースも珍しくありません)

 

検索が使えないのなら、ディスプレイ広告を使うしかありません。しかし、ディスプレイ広告を如何に使うかは、人それぞれです。またどのディスプレイ広告に対して、どのように予算投下をしていくかも、考え方は人それぞれです。出稿先、媒体、形式など(画像なのか、動画なのかなど)色々と検討するのもありだと思いますが、特に時間的制約条件がある場合などは、短期間で予算をどんどん投下し、チャレンジし、スピーディーにトライし情報を集めていく必要性があります。

 

liskul.com

 

まずは認知してもらい、見込みと高い人には特に再認知、誘導を行い、「顧客」として引きこむような流れでの広告展開が必須となります。例えば、近年注目されている「ハイブリット広告」などはその代表例でしょう。

 

www.kwm.co.jp

 

また上記したように時間制約が厳しい場合、予算、資材的制約がある場合など、動画は無理でもスライドショー広告ならスピーディーな広告展開と、データ収集が可能かもしれません。

 

anagrams.jp

 

そういった「施策」の1つ1つが、もしかしたら事業を軌道に乗せ、のちの大事業の発展に繋がるような、社会に対して一石を投じるような、導線となる可能性は十分にあります。

 

またネット広告ではありませんが、タクシー広告を用いて短期間でサービス認知度を上昇させたサービスなどもあります。

note.com

 

戦い方は様々です。

 

「今はネット広告」という考えに必ずしも縛られる必要性はないように思います。予算や時間、様々な制約条件を考慮し、マーケティング活動は進めていく必要性があります。(場合によってはマーケターは、腹を括って清水の舞台から飛び降りる覚悟でトライせねばなりません...)

 

最後に 

「広告」という1つの戦略を切り離し、最後に「仕掛け」単体について、触れておければと思います。「仕掛け」を思いつくためには、とにかくフラッシュアイディアが考えられるか否かが重要です。フラッシュアイディアを考えられるように、日頃から一体何を心がけるべきなのでしょうか。

 

色々とこの点に考えてみたのですが、結構文量が多くなってしまったので、別記事にて記載しています。

 

www.ppc-log.com  

 

ご参考になれば幸いです。

 

Twitterはこちら 

 

twitter.com