PPC-LOG

主にリスティング広告をはじめとするWeb広告、マーケティング関連の記事を書いています。

優秀なマーケターは、手持ちの資源でやりくりする話

広告運用のお仕事に携わらせて頂き、今年でちょうど丸5年ほどになります。(2019年12月現在)その間、様々な企業、個人とお付き合いさせていただく機会も多々あり、身近で企業、個人の躍進、成長、また場合によっては衰退、事業撤退を余儀なくされた現場に立ちあう機会、見届けさせていただく経験もさせて頂きました。 

 

またその中で、現在の自身を形成する上でなくてはならない、優秀なマーケターと一緒に仕事を共にさせていただく機会も多々あり、数で言えば片手で数えられるほどの数ほどの経験でしかないかもしれませんが、そのような出会い、成長の機会にめぐり会えたことは、何物にも変えがたい宝であり、今でも貴重な経験であったと思っています。

 

優秀なマーケターの方々と仕事を共にする中で、彼らがある1つの共通する所作を持ち合わせていることに数年前気がつき、以来私自身、その所作を意識しながら、日々業務にあたっています。その所作こそが、「手持ちの資源でやりくり」という考え方、生きる技術、所作です。今日はその点について考えていければと思います。

 

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元ネタについて

この「手持ちの資源でやりくり」を語る上で、村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』と、その書籍の書評が掲載された内田樹の『もういちど村上春樹にご用心』は欠かせません。どちらも良書なので、もしよろしければご一読頂ければと思います。

 

 

「手持ちの資源でやりくり」とは

そもそも、「手持ちの資源でやりくり」という言葉自体、内田の上記書評で使われた言葉そのものを、引用する形で使用しています。まず、内田は『もういちど村上春樹にご用心』にて、村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』についての書評で、以下のような指摘をしています。

 

「走る」という行為とどんなふうにかかわってきたかを語ることを通じて、村上春樹は「書く」という行為とどんなふうに関わってきたかを大変ストレートに語っている。作家自身が自分の創作の秘密をこれほど率直に吐露することはきわめてまれなことである。

身体は有限の資源である。手足はワンセットしかないし、骨の数も臓器の数も決まっている。だから、身体的パフォーマンスを上げるというのは何か強化装置のようなものを外から付加することではない(そうしたがる人も多いが、それは失敗を宿命づけられている)。私たちは、「手持ちの資源をやりくりする」ことしかできない。使えるものはなんでも使うこと。そういう使い道があるとは思わなかった思いがけないものの思いがけない用途を発見すること。これが「家政」の要諦である。  

村上春樹は「才能」とは何かについて語った箇所に、短いけれども、核心的な言葉を記している。

 

「人生は基本的に不公平なものである。それは間違いのないところだ。しかしたとえ不公平な場所にあっても、そこにある種の『公平さ』を希求することは可能であると思う。」 

 

私たちひとりひとりへの資源配分は(身体的なものも知性的なものも)基本的には不公平である。けれども、私たちはその手持ちの資源でやりくりするしかない。「やりくり上手」であれば、ありあまる資源を蕩尽している人よりも結果的に質の高い成果を残す可能性がある。

 

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これらの文章からも分かる通り、人間は手持ちの資源でしか原則ことを成し得ることはできません。しかしながら、「やりくり上手」になることで、ある種の不公平感を解消し、「公平さ」を求めることが可能になると、内田は解いています。

 

自分の仕事に置き換えて、考えてみる

自身の仕事(広告運用・マーケティング)に置き換え、次のように考えてみました。

 

例えば広告予算や、人員的な制限、競合と比較した際の絶対的な弱点を抱えた状態で、それでも予算を適切に使い、ROASの最大化、認知度の上昇など、広告の目的を達成し、目標に近づける努力をマーケターは行っていく必要があります。

 

結果を出す人はこの点の能力に長けており、特にそれらを達成するために、適切な視点、視野、視座にて物事を静観する能力も、多くの場合において兼ね備えています。

 

そのため、もし明日以降、仕事の現場で「この人は優秀な人だ」と思える人に仕事上で出会ったのなら、その人が環境や人員、媒体など、手持ちの資源に言い訳せず、まずは実現可能なことを念頭に置き、「やりくり」すること、また「やりくりする」ための時間、工数と適正に判断し、適正に、投下すべきリソースを投下しているかどうかといった点を見て頂ければ、非常にわかりやすいと思います。

 

おそらく優秀な人であればあるほど、上記「家政の要諦」を心得ているはずです。

 

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【追伸】

上記の記事は、以前にnoteで執筆し、公開したものをリライト、加筆修正をしたものになります。

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