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【Google広告】適切な広告配信地域の考え方について

Google広告を展開する上で、基礎的な要素であるが故に、特に深い考えを持たず設定されてしまい、結果的に機会損失を招いてしまう要素として、「地域設定」があげられる。

 

 

本日は地域設定の考え方、どのように設定することで漏れのない設定が可能となるのかについて、話を進めていきたい。

 

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 まずそもそも、広告配信地域の前に、商圏について、理解を深めていかねばならない。

 

「商圏」とは 

商圏については様々な考え方があるが、ここではひとまずざっくりと、“店舗を中心においた際、そのビジネスが実集客など、影響を与え得る範囲”のことを示すとご認識頂きたい。商圏の範囲については、ビジネスの種類や地域風習、その地域の主要な移動手段など、様々な要素によって左右される不確定要素でもある。(その点については詳細後述の上、述べておく)

 

この記事の中では、「池袋の整体師」を例に、考えを進めていきたい。

 

「池袋の整体師」を例に考えた時、商圏はどのぐらいの範囲になるだろうか。例えば池袋駅は、次の路線に面して駅でもある。

 

JY 山手線 - 駅番号「JY 13」
JA 埼京線 - 駅番号「JA 12」
JS 湘南新宿ライン - 駅番号「JS 21」
東武鉄道 TJ 東上本線 - 駅番号「TJ 01[2]」、当駅が起点
西武鉄道 SI 池袋線 - 駅番号「SI01[3]」、当駅が起点、練馬駅で分岐する豊丸ノ内線 丸ノ内線 - 駅番号「M 25[4]」、当駅が起点
有楽町線 有楽町線 - 駅番号「Y 09[4]」
副都心線 副都心線 - 駅番号「F 09[4]」

 

池袋駅 - Wikipedia」より引用

 

顧客となりうる層として、当然豊島区民、板橋区民、練馬区民は地域的にも近郊なため、考えられる。次に埼京線を使ってやってくる埼玉県民なども、十分想定の範囲として考えられる。次に仕事の関係上、池袋駅で下車する層、乗り換えに池袋駅を利用する層も、この「池袋の整体師」の顧客となる可能性は非常に高い。

 

このように、サービスや施策、地域にもよって大きく異なってくるものの、リアルな接客サービスなどの場合は大抵商圏が明確に存在している。

 

「配信地域」とは

商圏の話を広げていく上で、次にGoogle広告の定義する配信地域について、理解を深めていきたい。

 

まず、Google広告は2種類の地域設定方法を設けている。

 

 「地域」と「範囲」である。

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主に「地域」で設定している人が多いのではないかと思う。しかし前述した「池袋の整体師」を例に考えてみると、「地域」で設定することによって、無意味な広告費の発生や、機会損失が発生する可能性が考えられる。

 

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「地域」を選択肢し、「東京都」を設定した場合、東京全域に広告配信はされるようになるが、設定されているキーワードにビックキーワードが使用されている場合、ビックキーワードが商圏外の層にもリーチしてしまう可能性は、極めて高い。

 

例えば「交通事故治療」というキーワードで、「東京都」で広告配信を行なった場合、八王子で上記キーワード検索者に広告が表示されることにもなる。池袋から八王子までは片道37.5km、電車で向かったとしても1時間近くかかる。その場合、どれだけ広告やLP、サービスが魅力的でも、通院できる可能性が低ければコンバージョンはしにくく、広告の無駄打ちになってしまうリスクは非常に高い。よどの腕が良ければ八王子から通う人もいるかもしれないが、そんな人はそもそも、もっと商圏を広く捉えるべきだし、広告を配信する必要性はない。(そんな腕のいい整体師はそもそも予約が取れない)特に少額予算での広告運用となる場合、今回のケースでは「東京都」を「地域」設定において、設定すべきではない。

 

またGoogle、Yahooの定義する「配信地域」の判断基準は厳密には異なる。すでに過去に詳細まとめてくださっている方がいるため、もしそちらが気になる方は下記記事を参照していただきたい。

 

sem-listing.xyz

 

オススメのターゲティング技法

(1)オススメは半径ターゲティング

Google広告では基本的に、店舗ビジネスの場合は半径ターゲティングを活用することをオススメしている。半径ターゲティングを使うことで、より商圏にマッチした範囲に広告展開が可能となるためである。前述、「池袋の整体師」の例で考えてみよう。仮に池袋(豊島区)から半径、10km圏内を半径ターゲティングをした場合、次の通りとなる。

 

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埼京線でもかなり乗り入れのある赤羽駅にもリーチが可能な上、北千住の一部地域にも広告配信範囲は面している。「地域」ターゲティングで「東京都」と指定していた際と比べても、範囲はミニマムだが、商圏とも一致するように思う。1km単位での調整も可能なため、基本的には半径ターゲティングを実施し、どうしても追加で取りたい主要エリア(例えば大宮など)があれば、追加で「地域」指定すれば良いだろう。

 

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またfacebook広告、Google広告上において、半径ターゲティングを巧みに使い、手動にて、いわば「沿線ターゲティング」なるターゲティングを展開している猛者も存在する。

 

 

 

このような応用的な手法でも、効果をあげられる可能性は極めて高いということを、我々は念頭に起き、商圏を考えていく必要性がある。

 

代表的な落とし穴について

商圏設定における機会損失についてこれまで触れてきたが、他にも代表的な機会損失を招く危険な落とし穴を、いくつか紹介しておきたい。

(1)キーワード、施策によって商圏を意図的に変更する必要性

例えば代表的なものとして、地名、自社名を含むキーワードはその代表例であろう。商圏として設定したエリア外で、地名を含む検索などは度々行われる。

 

例えば、【北海道出張帰りの練馬区民が、帰宅前にホテルで整体院の予約を入れようと「●●●整体院(自院名)」と検索】した際に、商圏として設定していない場合、広告が表示されない可能性があり得る。(自院名がありふれたものの場合、指名系キーワードでも SEO上位掲載が難しく、広告を出していないと機会損失を招く可能性がある)

 

また上記同様、商圏を狭く設定したせいで、うまくリマーケティング広告を展開できないケースも珍しくない。例えば、本来上記した北海道の出張帰りの男性が過去に1度来院している場合、来院予約時のサンクスページを踏んでいれば、リピーター候補として、来院一定期間後に、リマーケティング広告を周期的に出すことも可能である。しかし、商圏を狭く設定してしまうことによってうまく表示させることができず、結果、機会損失してしまう可能性は非常に高い。

 

このように、キーワードや施策によって、商圏は工夫が必要であり、都度柔軟に対応していく必要性がある。

(2)商圏は、ビジネス、地域、広告対象者の主要移動手段によっても変わる

「池袋の整体師」で考えた場合、集客を行なった際の主な顧客の交通手段は電車、もしくは自家用車となることが想定できる。整体院の場所にもよるが、駅近であればあるほど、電車利用者率は高まると考えられる。

 

ところがこれが地方だった場合、どうなるだろうか。まず交通手段の大半は、車、またはバイクになるだろう。次に商圏だが、人口、商業施設が少ない分、都心で展開するよりも、広い範囲が商圏となるだろう。またビジネスが稀有なものであればあるほど、商圏は広がる。「この人にしか施術できない」と思わせる名師の場合、海外から噂を聞きつけ、来院する人もいるかもしれない。

 

このように、商圏は広告配信するビジネスの内容や、地域、広告対象者の主要移動手段によって、大きく変わる傾向にある。同じようなサービスの場合でも、稀有なものほど遠くにいる人を集客することが可能となるケースも珍しくない。正直予算次第な部分も大いにあるが、様々な要素を考慮しつつ、商圏は設定していく必要性があるとご理解いただければ幸いである。

 
おまけ

海外におけるGoogle広告配信時、商圏設定に関しては、より注意が必要となってくる。例えば隣国と国境を挟んで密接に繋がっている国も多く、安易に国名で限定し、ターゲティングしてしまうと、逆に広告配信対象を絞り込んでしまうケースは少なくない。

 

もちろん、Google広告はそれらの機会損失を防ぐべく、広告配信設定における「地域」においては、次のように規定され、運用されている。

 

  • ユーザーがいる可能性が高い地域
  • ユーザーが関心を示している地域

地域ターゲティングの詳細設定 Google広告」より引用

 

 

例えばアメリカのカルフォルニア州北部(シリコンバレー)とインドは、強い繋がりがあるため、ビジネス上、人の出入り、交流も頻繁にある。IT関連の広告をシリコンバレー周辺で配信した場合、インド在住のシリコンバレーに頻繁に出張で赴く機会が多くあるインド人のデバイスに、インドにいる際も広告が表示される可能性は十分あり得る。そのため、これらの機能により、機会損失を確かに未然に防がれはするが、これらの機能が当然完璧に機能する保証はない。(前述北海道の出張帰りのユーザーに広告が表示されない可能性があると指摘したのは、そのためである)

 

もし機会損失を防げなかった場合、例えばBtoBの世界観では、1商談で数億円の売り上げが左右されるケースも珍しくない。そのためにも、でき得る限りの商圏設定や、地域特性の理解を、案件を担当するマーケターが一個人で意欲的に探求し、理解しておく必要性がある。