最近の動画広告ブームってなんか変じゃないですか?

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昨年の年末にサイバーエージェントの発表(下記図)にもあったように、近年動画広告の成長に注目が集まっています。実際に自分もYouTubeやTwitterなどで動画広告を目にする機会が増えており、そしてその内容が目まぐるしく変化していることから如何に動画広告の出稿量が増えているのかを考えさせられます。

f:id:sbgx:20200912123644p:plainサイバーエージェント、2019年国内動画広告の市場調査を実施」より引用

ただし、あまりにも流行りすぎているせいか客先でも「YouTubeが流行っているし、今リスティングにかけている予算やより大きな額を動画広告に投資するのはアリなのだろうか」といったようなご相談を広告ご予算の大小問わず聞く機会も増えてきました。そしてその動きには強い違和感を自分自身感じています。そこで今日はその点について、自分の考えを整理するのも兼ねてお話しできればと思います。

そもそも動画広告がうまくいくケースは存在するのか?

まず動画広告がうまくいくケースについてですが、結論からお伝えすると存在します。「うまくいく」の定義についてはfacebook広告(目的をコンバージョンに設定した動画広告)でブロード配信(ターゲットを純新規層に設定)を行いリスティング広告で新規顧客獲得単価の5分の1から4分の1程度で新規顧客を獲得できるケースを想像して頂ければ差し支えありません。

例えば以下記事では自分も動画広告の成功事例を実際に公開しています。

TrueView アクションとは?設定方法と純新規ユーザーからコンバージョンが取れるYouTube広告を制作する上でのポイントについて解説

しかし、それを可能とするにはそもそも下記3つのような商材特性が必要となります。

  1. 商材がまだ世の中で一般認知されていない(=検索されにくい)
  2. 動きがあることでリアリティが生じ、購買・消費意欲、所有欲が促進される
  3. 代替品、同様の製品がコンビニやスーパーでは購入できないこと

例えば通販番組などで流れてくるダイエット器具などはこれら3つを兼ね備えた商材になります。商品そのものや使用しているシーンを画像で見ても購買・消費意欲、所有欲は満たされませんが、実際に使っているシーンを見るとリアリティが生じて見え方が変わってきたりするため一定確率で購入されるのです。

このように少なくとも「コンバージョン」を目的とした場合の動画広告においては、まず商材と動画の相性が非常に重要となってきます。

「広告としての動画」と「メディアとしての動画」は別物

「そうは言ってもYouTubeが…」と言う方も多いはずです。実際に YouTube の躍進は凄まじく、YouTube の月間ユーザー数は20億人を超え、投稿される動画は毎分 500 時間に達していると公式ブログでも今年に入ってからアナウンスがあったばかりです。しかし「広告としての動画」と「メディアとしての動画」は全くの別物です。いわゆる YouTuber と呼ばれる投稿者の動画投稿が活性化したとしても、潜在顧客層が20億人の中に存在したとしても、そこに広告を出す必然性や動画広告を配信する理由にはなり得ません。

なぜならそれらのユーザーが、一切他の SNS や Google 検索、 Yahoo! 検索を使わずに生活しているという訳ではないためです。そのため「認知」を主目的に最低でも数千万単位で年間予算をかけられるといったようなケースや、前述した特性に商材が合致する場合は別として、まずは「コンバージョン」を狙っていくような広告配信を希望する場合は他の広告(リスティング広告など)に投資する方が有効なケースは多いはずです。動画広告は数あるネット広告の1つでしかありません。あくまでも1つの選択肢です。配信手法やターゲティングも今後増える見込みが高いので、焦って先行投資を始める必要性もありません。

結論

まず安易な動画広告へのトライは辞めた方がいいです。動画広告でヒットするには商材と動画の相性が必要となります。また「動画広告がトレンドだから」という理由で「広告としての動画」と「メディアとしての動画」をごちゃ混ぜにしてセールスするのは辞めましょう。そのセールス活動は広告主のためにも、エンドユーザーのためにもなりません。実際自分もYouTubeや、SNSで動画を視聴したりすることも多いのですが「動画にする必要性や必然性がない広告を無理やり動画化したようなもの」を多く見かけます。全く魅力を感じませんし、動画広告の価値そのものも貶めかねないのではないかと自分は注視しています。