ヤフーと如何に向き合うべきか|広告運用者の話

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先日、Twitter で絡みのある yanoshi さん @yanoshi と六本木でピザを食べていた時のこと 、ふとお互いの「インターネット原体験」について話し込み、色々と懐かしいネットコンテンツたちを思い出しました。

自身のインターネット原体験は2001〜2002年、小学1,2年生の頃の事。小学校でコンピューターの授業の際に触れた Windows 98 , Me が、人生で初めてのパソコンでした。 Internet Explorer を用いて、「Yahooキッズ」にまずはアクセスし、そこから「小学館」のホームページや、「ぱんぞう屋」にアクセスするなどし、インターネットを楽しんでいたように覚えています。(「おもしろフラッシュ倉庫」とか「2ちゃんねる」とか、アングラ系も触るようになるのは、それからしばらくしてからのこと。)

言ってしまえば、その頃からヤフーを見ていたし、ヤフー ID も発行しヤフーメールも使っていたから、立派なヤフーユーザーでした。そして、ある日突然検索結果画面に広告が出てくるようになった時のことも、非常に鮮明に覚えています。

当時それを「広告」だと思わなかったし、まさか「人力」で作っているものだとは思わなかったし、その数十年後、自分がそれらの作り手側の人間になるとは、夢にも思ってもみませんでした。

ヤフーに物申したい広告運用者は多いかも…

まずは Yahoo! が提供する広告配信媒体、 YSS 、 YDN について。 自分の手持ちの案件でもそうなのですが、 Google  に比べて Yahoo! はコンバージョンが取れる…といった案件は少なくありません。特に BtoC 、スマホでのサイト流入が7割以上の案件では、その傾向が顕著なように思います。また実際に管理画面を操作し、広告文を変更するといった細かな操作1つとっても、 Google の方が複雑な操作であっても容易に実行することができるが、 Yahoo! の場合、新規で CSV インポートし直す必要性があり、ハードルを高く感じる他、単純に触っていてストレスを感じる広告運用者は、多いのではないでしょうか。そして、そのストレス故、管理画面に対して触る機会が減っていき、適切な調整が Google に比べてできていないケースも、正直多いのではないでしょうか。

 Google が凄すぎるのか?

結論、 Google が凄すぎるが故に Yahoo! が劣って見えてしまうのだと思います。

例えば Google が以前から実装していた「ラベル」機能を、 Yahoo! が実際に実装するまでに数年を有しています。また広告エディターに関して、 Google は早期から MacOS 版も提供していますが、 Yahoo!のエディターは未だに MacOS に対応した物を出せていません。

Google 、 Yahoo! の壁、過去の訴訟と対立・相互理解について

Yahoo! 側が Google 側を強く競合視していた時の名残であるように思いますが、「リマーケティング」「リターゲティング」、「サイトリンク表示オプション」「クイックリンクオプション」といったように、意味合いは同じだが異なるキーワードが使用されるケースも少なくありません。

しかし近年では、一方で YDN の管理用エディターツールのデザインは、明らかに Google 広告管理用エディターツール(旧・ Google Adwords editor )を踏襲したものであったし、その点考えると、かつてほど確執が強い訳ではないようです。

また多くの広告運用者は既に忘れてしまっているかもしれませんが、2002年に Google は、 overture (当時)によって検索連動型広告に関する特許侵害として訴訟を起こされた過去もあるためか、権利上の観点から、名称に関しては慎重な部分があるように考えられます。しかし、現場の一意見としては、レポート上でのデバイス名ぐらいは統一して欲しいですし、欲を言えばレポートの形式も統一してほしいものです。

ヤフーは迷走しているのか?

「ヤフーは迷走しているのか?」という問いについてですが、結論から言えば、少なくともこの十年近く「ヤフーは常に迷走している」状態にあると思います。そもそも、以前に夏野剛さん @tnatsu が述べていたように、ヤフーは先行逃げ切り型企業であり、 近年であれば paypay 、かつてで言えば Yahoo! 検索、ヤフオクなど、他社よりも先行して取り組んでいる事業であれば、過去実績から他社が追随してきたとしても逃げ切れる可能性が高いと考えられます。しかし、その点に反するような形で、ここ数年は他社に追従する、形だけの事業にリソースを注いでいたようにも思えます。例えば、コンテンツマーケティングがその典型例です。

先見的な企業であるにも関わらず内部がごちゃごちゃしているため、その環境でより良いサービスインフラや、システムを作ろうとするエンジニアが不足しているように感じます。

運用者にとって大切なのは…

とにかく広告運用者にとって大切なのは、「手持ちの資源で、やりくりする」ことであると、自分は考えています。優秀なマーケターは「手持ちの資源をやりくりする」という所作を必ず有しています。以下はその代表的な所作です。

手持ちの資源に言い訳しない(外部・内部環境、人員に言い訳しない)
使えるものはなんでも使う(公開情報はマストで活用)
思いがけないものの、思いがけない用途を発見する(先行利益を勝ち得る)

このように、手持ちの資源をやりくりできる、やりくり上手な人たち、不公平な場所、局面においても、そこにある種の『公平さ』を希求する人たちは、いつの時代も新しい手法を模索し続けることができる筈です。以下はそれについて詳しく書いた note です。

不満を「ある程度」であれ、自力、または組織の力を拝借し解消可能です。多くの人は媒体仕様や、制度のせいにしてしまいがちですが、それは媒体の課題であって、多くの場合は貴方自身に解決可能な課題ではありません。そんなの考えても時間の無駄です。

今日から広告運用者が個人で出来ること

例えば、ヤフーの広告媒体のパフォーマンスをあげるために、 Yahoo! の IR には目を通し、情報や、将来的な媒体の方向性から現行もっとも最適な広告配信手法を模索している代理店、運用者個人はどのぐらい存在するのでしょうか。

少しでも媒体が出している情報に目を通すことは、今日からでも実践可能です。無料で公開されている情報も多く存在するため、まずはそれらに目を通し、媒体側の狙いを探ってみると良いのではないでしょうか。また転職サイト情報の Yahoo! 社員の声を見てみると良いです。率直な話が書かれています。

以下は実際に openwork への Yahoo! 社員の投稿です。

しかし、自分はこの「沈む船状態」という表現は間違った表現だと思います。

Yahoo! は沈む船状態ではありません

私自身はヤフーを沈む船だとは思っていません。 paypay などの新規事業への取り組みや、 Google 広告 に追いつこうとする姿勢などなどをみる限り、まだまだ Yahoo! の未来は明るいように考えています。しかし、以下の3つの取り組みが広告運用者にも必要なのではないかと思います。

  • 媒体の狙いを探り、トレンドを先読みする
  • 公開情報は隅々まで見る
  • 自分にできることをやる

追記

その後下記のような note を書きました。

今後も Yahoo! の動きに注目していきたいと思います。