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『暴走するネット広告: 1兆8000億円市場の落とし穴』書評|今、広告運用者が読むべき1冊

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先日、NHK出版新書『暴走するネット広告: 1兆8000億円市場の落とし穴』を読みました。

 

下記は、実際にAmazonに投稿したレビューの詳細版です。

 

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当方、仕事でネット広告(本書では扱いが少ないのですが、検索連動型広告を主に、ディスプレイ広告、Twitter広告、facebook広告)の運用業務に当たっているものです。まず詳細な取材姿勢に、とても感心しました。よくここまで細かく調べることができたなと、率直に驚きました。

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1兆8,000億円そのものが不正みたいに捉えかねないタイトルだ....。 

 

本書では主にfake広告(関連性のないモデル・芸能人のキャプチャを用いたサプリ広告など)や、違法性の高いコンテンツページ(漫画村など)に広告が出稿されている実態について詳細な調査を行なった、NHKのクローズアップ現代の取材内容を新書化したものになります。

 

 

本書ではまずfake広告について入念な調査を行い、一部のアフィリエイターが成果を求めて、悪質な広告出稿を重ねていることを突き詰めます。アフィリエイターは成果連動型の報酬制度なので、嘘であれ、サプリや、特定の商材の購入がなされた時点で成果が発生します。そういった輩を取り締まらない各媒体についても入念な取材を行い、実際に完璧な審査を行うのは不可能であるという実態を、読者に突きつけます。

 

またこれについて、物語終盤にYahooとNHK取材班のやりとりが本書内にも詳細記載されていますが、Yahooはアフィリエイターの広告出稿を全面的に見直し、停止するなどの処置を、2019年6月から実施しています。

 

www.itmedia.co.jp

 

本書の読者の皆様には、媒体側も当然悪意をもって配信していたわけではなく、単純に1日あたりに数千、数万の広告の審査を行わなければならない以上、審査も当然甘くせざるを得ない部分があり、その綻びからこのような事態が起こっていること、ご理解いただきたいです。

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アドネットワークについでしっかりと図化されており、素人の方にも分かりやすいように工夫されている。

 

実際私自身、ここ数ヶ月とくにYahooは広告の審査を厳しくしてきているといった、印象を感じています。

 

また、次に漫画村などの違法性が高いコンテンツに広告配信がされていた件についてです。本書最後にも記載されていますが、基本的に広告は、生活をよりよくするための情報を、求めている人に届けるものです。

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漫画村のサーバーを求めて、ウクライナへ。

 

しかし、アドネットワークの膨大化にともない、広告の出稿先を全て把握している運用者は、今日ほぼ存在しません。どこにどの広告が出ているのか、広告を運用している人ですら把握するのは、お恥ずかしい話ですが困難なのです。世の何千、何万というサイト、サプリにアドスロット(広告掲載枠)が存在し、それらがいつでも広告を表示できるよう、スタンバイされているのです。

 

例えば、運用広告でも非常にスタンダードな、過去サイトに訪問したことのあるユーザーを追いかける「リマーケティング広告」を配信している場合でも、1日ごとに新たなサイト、アプリで広告掲載されていたことが、掲載された結果クリックされたことが、掲載された結果コンバージョン(購入など)されたことが、レポートなどでようやく確認できるような状況なのです。

 

 

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いわゆる「飛ばし先」に使われていたまとめサイト。無名のそのメディアは、1億pvを超えていた。

 

 

もちろん主にどういったサイトで広告が掲載されたかを確認するほか、特定のサイトを配信対象外にするといったことは可能ですが、上記しました通り、基本的には媒体(Google、Yahoo)のアドスロットがあるサイトには、広告は必然的に表示される仕組みとなっており、この点を管理するのは至難の技であること、ご理解いただきたいです。

 

ただし、このNHKの特集放送、本書を一読し、自社、あるいは自分のクライアントの広告が、違法性の高いサイト、アプリに広告配信されている可能性について考え、恐怖された方も多いのではないかと思います。当然、ブランディングに影響が出ます。自分の好きなサービスや、商材の広告が違法サイトに掲載されるほか、違法なアプリに掲載されていた時、悲しい思いを感じる方は、意外と多いのではないでしょうか。

 

アドスロットの設置には審査があります。しかし、本書にも記載されていたように、ジャンプページ、サイトの変更など、審査をかいくぐる手法は山のようにあり、常に媒体と審査依頼者の間でいたちごっこのようなやりとりが散見されるのも事実。

  

正直な話、なかなか完璧を追求するのは難しいのです。

 

写真:NHK出版新書『暴走するネット広告: 1兆8000億円市場の落とし穴

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