PPC-LOG

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【2019年10月更新】Yahoo、Googleで平均掲載順位が廃止|世界から“平均掲載順位”が消えたなら

かつて、1位戦略に躍起になっていた身としては、ふと目頭熱くなる展開である。


support.google.com

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biz.marketing.yahoo.co.jp

Google広告、Yahoo(YSS、YDN)は共に、以下のスケジュールで、「平均掲載順位」を廃止にすると発表している。

 

Yahoo:2019年9月25日(水)

Google:2019年9月29日(日)

 

【2019年10月追記】※まだ一部アカウントでは視認可能なようです

 

まずレポートのフォーマットや、クライアントへの平均掲載順位提出が義務化されているクライアントに関しては、この変更は事前告知の上、対応を進めていかなければならない。

 

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そもそも、なぜ無くなるのか 

まず「なぜ無くなるのか?」に関してだが、ざっくりまとめると次の通りである。

 

・概念が時代遅れ

・最適化配信をしてほしい(掲載順位に縛られない配信をしてほしい)

・そもそも不適切な指標だった

 

ppc-master.jp

 

自分は上記「概念が時代遅れ」が大きな要因を占めていると考えており、検索広告自体、「どこに出すか?」ではなく、「誰のどこに出てもらうか?」といった時代に移行しつつあるものであると考えている。今日はその点について、深掘りしていきたい。

 

1位戦略を続ける意味は無意味化しないが、それ以下の費用でも同様、またはそれ以上の効果が狙える

まず今現在も1位戦略を展開している案件は多く存在するように思う。しかし、広告は間違いなく、個人最適化、オンリーワン化が進んでいくように考えられる。
 
 
実際に、自分自身のケースで言えば、品質関連はチェックすることも多いが、そもそも平均掲載順位はあまり確認しないことが多い(何故なら確認する意味がないので)。順位が低くてもコンバージョンすることは多いし、逆に高くても取れないことは多い。(この事実は、特にGoogleで「コンバージョンの最大化」を過去に使ったことがある人であれば、概念として、よく理解できるのではないかと思う) 
  
例えば、先にGoogleが公開した新検索広告フォーマット、レスポンシブ検索広告は、“平均掲載順位”の無意味化と、人の手を必要としない高度な配信調整の時代の幕開けを告げる、布石に過ぎないと考えている。
 
 
例えば、1ビックキーワードを例にとっても、検索者の意図は細部化しており、こちら側でキーワードのみ見極めて、区別するのは難しい。
 
 

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競合が一切存在しない場合、1位戦略を継続するのは有効かもしれない。しかし、多くの場合において、1位戦略は継続することによって嵩む費用が肥大していき、費用を投下して得られるコンバージョン数も、増えていかないリスクを兼ね備えている。単純に数通りの広告で数百人を上限にアプローチするより、数千通り以上の組み合わせが可能な広告で、数十万人を相手にした方が、コンバージョン率が変わらずとも、コンバージョン数を増やすことができる。結果的に、機会損失を最小化できる可能性が高い。
 
人力によって、「検索意図を100%配慮し、広告の出し分けが可能か?」という問いについてだが、これを人力で実現するのは、不可能ではないかと考えられる。単純なABテストや、アカウントに対する微調整では如何ともし難い次元を超越した、例えば人間が掲載順位を見て、競合の入札や、外部環境要因を妄想して、調整していくといったレベルをはるかに超えた、高度なテクノロジーのみがなし得る調整によって、今後はより費用対効果の高い、個人に最適化されたオンリーワンな広告が望まれるようにシフトしていくであろう。
 
そして、その方針は正しいように考えられる。
 
全てのキーワードを検索語句レベルで管理し、それぞれ最適化させるのは、人の手では不可能である。またGoogleがこういった動きに舵を切る判断をしている前提には、Googleがもつ莫大なデータが背景にある。あらゆるサイトのコンバージョン率、あらゆるキーワード、広告のクリック率、時代の移り変わりに伴うそれらのデータの変化など、全て見た上で判断されていると考えると、それらの方針、判断は、正しいと言わざるを得ない。
 
 

同一キーワードでも広告を出しわける、人間の思考を超えた処理の前に、運用者は頭を抱えざるを得ない

 
今現在はまだレスポンシブ検索広告によって、見出しを複数設定したものから候補をGoogleが選定し、自動で組み合わせたものが広告表示されるに止まっている。しかし、今後は人がある程度作ったものをGoogle側で学習し、広告文を今よりも高度に自動生成するなどが一般的になっていくであろう。
 
かつて、岡田斗司夫が「YouTuberが消失する未来」を解いたことがある。
 
(本編25分ぐらいから〜)
 
今あるYouTubeコンテンツをAIが学習し、毎日100回更新するAI YouTuberが登場した時、多くのYouTuberはなす術がなくなるという見立てに基づけいた見解だ。
 
私は、これに近い動きがGoogle広告では少なくとも起こるのではないかと考えている。基本的にアメリカでそのような動きが起これば、2〜3年以内にそのような動きが日本で起こると見て、間違いないように思う。(たぶん今後5年以内に、担当者が本気でいくら広告を作り込んでも、Googleが自動作成した広告に一向に勝てない時代が来るように思う、今既に似たような現象が一部のアカウントで起こり始めているという話も小耳にするが、私自身には起こっていない)
 

最後に

 

www.youtube.com

 

多分猫ほど、検索広告の作り手はいなくなっても、世の中全体は、正直そんなに困らない。

 

今あげた事例は、平均掲載順位がなくなり、自動化が加速した未来で広告の作成やテストもGoogleが一手に引き受け、運用者の仕事はなくなっていくであろうという予測だが、Googleが最適に広告を運用できる環境を構築することができる、ディレクション能力を有した人は今後も必要になり続けると考えられるし、LP周りの監修や、クライアントとの泥臭いやりとりは、人以外に代用することは不可能であろう。職の心配をするのは、実に早計である。しかし、検索広告業界は引き続き人を必要とし続けるであろうが、旧来的な、職人的気質の運用者は行き場がなくなることに違いはなく、今後はよりクライアント、顧客とのコミュニケーションがとれる運用者の方が必要とされていくに違いない。

 

主要キーワードにおいて、1位で広告を出しておけば競合優位性が保たれる時代は、自分は完全に終わってしまったのではないかと認識している。今となって振り返ってみれば、特にSNS広告の出現の影響は、非常に大きかったのではないかと思う。TL上に自分にとって最適な広告が表示され続ける習慣が身についた人間が、検索をして、1位に出てきたものを必ずクリックし続ける習慣を保持すると思っている方がどうかしている。

 

何度も繰り返すようで恐縮だが、今後ますます、広告は個人最適化を進めざるを得ない。

 

・オンリーワンの広告を如何に精巧に作れるのか

・組み合わせのロジックを理解し、寄り添ったチューニングができるか

 

上記2点が、運用者に求められるようになるのは、まず間違いないように思う。

 

 

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