PPC-LOG

主にリスティング広告をはじめとするインターネット広告、マーケティング関連の記事を書いています。

【追記】「お試し価格」は景品表示法違反で、悪なのか?|広告運用者の話

先日「お試し価格」に関する提訴記事が掲載され、実際に裁判に至っていることに驚いた通販事業者、広告運用者も多かったのではないかと思う。これを「良いこと」 と捉える人も、「よくない」と捉える人も、「まだ提訴されただけ、判例も出てないし...」という人も、人それぞれだと思う。私は今回の件を全面的に「良いこと」と捉えており、これにより、「自分も被害者である」「自分もこれはおかしいと思っていた」と、名乗り出てくれる人がドンドン出てこれる状況こそが、健全な通販業界の維持には必要だと考えている。

 

www.excite.co.jp

 

しかしながら、当然健全な業者にも今回の裁判例は、少なからず影響を及ぼす可能性が高い。今回はこの裁判例を整理していき、今後の通販ビジネス、運用型広告に与えうる影響について考えていきたい。

 

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今回の提訴を整理

まず私自身、法律に関する知識は全くの素人である。そのためもし本記事の内容、解釈に誤りがあれば、その点何らかの形で、ぜひご指摘いただければ幸いである。

 

まず今回の提訴だが、下記のように整理できるようにように思う。 

 

  1. 健康食品販売会社が、「糖質活用のサポート」をうたうサプリメントを販売
  2. 同商品を初めて購入する場合、「1袋分が無料」(送料別)としている(この点について、厳密にサイト内に表記されているかどうかについては不明)
  3. 実際は1回目に1袋を発送後、10日後に4カ月分(20袋、3万9600円)が発送される仕組みで、2回目の購入が義務づけられている  

 

「お試し価格」は景表法違反 ネット広告の差し止め求める 京都のNPO提訴』より一部引用・追記 

 

今回のケースは、送料別のみ請求するような表記のLPで初回購入を誘いつつも、実際には10日後に4ヶ月分が発送され、2回目の購入が義務付けられているため、想像とは大きく乖離した価格を消費者は支払わざるを得ないといった、かなり悪質な通販手法によるものである。

 

また今回の最大の問題点は、

 

ネット上の広告で「お試し価格」かのように表示するのは景品表示法違反(有利誤認)にあたるとして

 

 『「お試し価格」は景表法違反 ネット広告の差し止め求める 京都のNPO提訴』より一部引用

 

 の点にあるように思う。そもそも今回の提訴内容では....

 

・「お試し価格」の定義とは何なのか

・「かのように表示する」とは、誰がどのような基準で判断するのか

・「お試し価格」と記載している以上、1回目はお試し、2回目以降の定価アウトなのか?さずがに2回目以降の購入マストはダメだと思うが...

 

など不明瞭な要素が多いため、たとえ規制の対象ではなくとも、「自社の定期通販も規制の対象なのか」と警戒し始めているケースも多いように思う。

 

ただしまず、現時点では判例は出ていない。あくまでも提訴されただけに留まっている。判例まで出てしまえば実社会への大きな影響は確実だが、判例が出なければ実社会への影響は殆ど無いといっても過言ではない。

 

しかし、これらが引き金となり今後大きな影響が出る可能性も考えられる。特に広告の審査などは影響を受ける可能性があるため、特にその点について言及しておきたい。

実際に現時点で、どこまでこの提訴の影響が広がる可能性はあるのか

まず今回問題となったサプリメントのような口の含むもの、薬類に関しては、実際に法規制の対象とならなくとも、広告の審査などが厳格化され、LPが審査を通しにくくなる。また、すでに通過した広告に対しても一括でより厳格な審査が行われ、サイト内に「お試し価格」などと記載がされているだけ、今回の裁判で争点になっているような誤解を招く価格設定でないケースであったとしても、最悪審査落ちに至る可能性も、十分にあり得るように考えられる。要するに、善良なサプリメントや食品の定期通販ビジネスの事業者であっても(つまりアウトではなくても)、広告の審査に関しては、今後少し警戒を強めていかなければならない必要性があるように思う。

 

特に今回、「サプリメント」を取り扱う健康食品販売会社が提訴された影響は、大きいように思う。

 

主にサプリメントを専門に取り扱う企業・業界(健康食品業界)は、サプリメントは食品であるにも関わらず、一般的には「薬」に近いイメージを持つ人も多いことからそれらの特性を活用し、かつて(特に90年代)は、誤解とユーザー側の解釈を誘うことにより、詐欺に近い手法での販売が横行していた業界である。(これについては、岡崎太郎などの書籍、実体験が詳しい、下記動画冒頭など)そういった背景もあり、サプリメントは厳しい法規制や広告規制が、これまでもなされてきた。

www.youtube.com

 

また近年では広告審査の厳格化、業界全体の自主規制により良化の傾向にはあるものの、先日のダイエットサプリによる体調不良者の発生といった事態が起きるなど、トラブルも相次いでいる。

nlab.itmedia.co.jp

 

やはり「口に含む」ものでかつ、「何かしらの医薬効果」があるかのようにも受け取られる可能性の高いものに関しては、今後ますます販売は厳格になっていくと見てほぼ間違いないだろう。特に今回の提訴を機に、価格表示の点、仕組み(定期通販)の面における、新たな法的なルールや規定が新設され義務化される可能性も高いように思う。

 

提訴による後押しは....強い

「提訴された」という事実に基づく後押しは、強いように思う。特に今回はまだ判例が出ておらず(そもそも判例が出ないケースも考えられるが)、提訴されたのみにとどまっているものの、仮に判決が出れば、その一件を受け、ますますサプリメント販売業者、販売代理店への風当たりは確実に強くなるように考えられる。もちろん、現在サプリメントを定期販売している健全な企業は、安易に怯える必要はない。ただし、広告面でも何かしらの形で対応していく必要性が出てくる可能性は十分あり得るので、留意しておく日強性はあるだろう。ただし、すぐに何かしらの処置がなされる可能性も低いので、その点に関しては必要以上に警戒をする必要性はないように思う。

  

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